様式は大きく分けて4種類ある結婚式

仏前式

仏前式(ぶつぜんしき)は仏様に結婚を誓う結婚式です。

チャペル式よりかは神前結婚式に近そうな仏前式は、寺院で行うカップルと自宅 へ招いて行うカップルがいますが寺院で行ったほうが盛り上がりそうです。 仏前式を一度もやったことのない人だと神様に結婚の報告をするのではないという 事実を知らないでしょうが、仏前結婚では「ふたりを結婚させてくれてありがとう ございます」と感謝するのが主旨になります。 結婚することはふたりが生まれる前から決まっていた、そう因縁付けられていた のだということが前提になっており、その因縁を仏様に感謝するのが仏前結婚 なので、結婚することは仏様にとって報告を受けるまでもないことなのです。 「知っとったよ、あなたが産まれる前からね」と言われてしまうだけでしょう。 式の流れはまずみんなに入場してもらうことから開始で、本尊に向かって右側に 新郎の関係者、左側に新婦側の関係者となります。 両親や血縁者、ゲストが席に着いたらお次は新郎新婦の出番です。 最後に司婚僧が入場したら役者は揃います。 司婚僧が礼盤に登ってご本尊に向って敬白文を読みあげますが、この文は御仏の お導きよって夫婦の契りを結びます、といった感じのことを申す文です。 そしたら新郎新婦に念珠授与をしますがその前後で指輪交換をする場合もあります。 仏様とはあまり関係なさそうな指輪交換は元々仏前式のプログラムにはなかった ので「ここでやる!」というタイミングもないのですが、組み込むのならここ辺り が流れ的にもよさそうなのでそんな式が多いようです。 仏前に供えてある念珠の白いリボンのついた方を新郎に、赤いリボンの方を新婦に、 司婚僧が手渡すので新郎新婦は両手で仰々しく受け取ります。 念珠授与が終わったら司婚僧が喋ったり媒酌人が喋って式はどんどん進行します。 司婚僧が新郎新婦に誓いを求めたり、このへんのやりとりは結婚式っぽいので どんな様式でも共通している部分かもしれません。 みんながいろいろ発言したら、新郎新婦は先ほど受け取った念珠を左手に持ち、 右手で焼香して合掌をします。 ここまでで仏前式は終わり、という式もありますが、もうちょっとだけ続く場合も 多いのでそちらも解説しておきましょう。 盃をつかった儀式の誓盃があるのですが、司婚僧が退席してからというパターン と司婚僧が滞在したまま行うパターンがあります。 酌人の酌で一の盃、二の盃、三の盃を受け、新郎の盃を新婦の父親と母親、 親族に順次受け、新郎の方から運ばれる盃は媒酌人へ、新婦の方から運んだ盃は 媒酌人夫人に、それぞれ盃をおさめて誓盃は完了します。 この儀式は神式の三三九度の盃にあたりますが、仏前式では司婚僧が退場してから 行うケースもあるので奥が深いですね。 司婚僧が残ったままで行われるケースでは、最後に司婚僧から祝辞が述べられて 式は最終的に完了となり、新郎新婦も参列者もみんな退場します。 主役が先に退場してゲストはしばらく残される、退場する姿をみんなで見守る、 ということはなく全員がひとつの行動でその場から立ち去ります。 さすがに順番は決まっており、大勢が一斉に出口めがけて突き進むことはないの ですが、「退場」という段取りで全員がその場からいなくなるのは潔いですね。 真っ先に退場するのは新郎新婦で、他の参列者達もその後にぞろぞろと続いて 式場から退出します。 宗派により細かな点は異なりますが大まかな流れは以上です。 日蓮正宗、臨済宗、浄土宗、天台宗などいくつもの宗派があるので自分はどの 宗派の仏前式をやるのか、あるいは参列するのかを事前に調べておかないと、 正しい作法や進行から取り残されてしまいます。 ただ仏前式と認識するだけでなく、どの宗派なのかも含めて対処しましょう。