様式は大きく分けて4種類ある結婚式

神前式

神前式はなかなかに宗教色の強い結婚様式ですね。

日本人が国内で結婚式をする場合、様式は神前式、チャペル式、仏前式、人前式 のいずれかになるでしょう。 前世紀まではこの様式が一番多かったほど人気があったのですが、近年では チャペル式を選ぶカップルも増加しているようです。 神前結婚式が広まったのはじつはそれほど大昔のことではなく、明治33年に 日比谷大神宮で行われた大正天皇の式からです。 どのような式か、名前を見ての通り神様の前でふたりが夫婦になる式です。 婚姻の儀式には神様がやってくる、そうした考え方は明治時代よりも昔の江戸時代 からあったようで、神前結婚式が主流になったのも納得の流れです。 明治時代にはどの神様の前で行っていたか、今のように結婚式専用の神社は なかったので日頃からお世話になっている近所の神社が大半だったようです。 現在では式場を備えた神社やそれに近い施設があるので、神様を選ぶことはせず 会場から選ぶ形になっています。 だからといって神前結婚式が行える式場にいる神様が本物ではない、なんてこと はありませんので安心してください。 結婚式場に併設されている神社は伊勢神宮や出雲大社などメジャーなところと 関係があるので、由緒正しい式が挙げられるでしょう。 出雲大社は島根県大社町にある大社で、大国主神を祭っていることは島根県民 なら誰でも知っていることです。 ここの大社造りは本殿中央に心御柱、妻を正面、正面中央にうず柱となっています。 なので設計上正面に入り口を設けてはおらず、右側になっています。 中央に柱があるのでそれを避けるように入り口が作られているのです。 伊勢神宮はもっと有名でいまさら説明不要かもしれませんが、皇室の祖先神である 天照大御神を祭っていることだけは言っておきましょう。 そんな立派なところの勧請神として、結婚式場には神様が祭られているのです。 式の作法は神様、つまり神様によって違ってくるので会場を調べるのが早いかも しれませんが、二拝二拍手一拝は覚えておいたほうがいいでしょう。 この動作を解説しますと、まず身体を直角に、90度曲げて深々と頭を下げます。 これが二拝の部分で、次に首よりも低い位置で掌を合わせ、右手を少し引いて 拍手を二回します。 ここが二拍手の部分ですね。 そしたら両手を合わせてお祈りをし、終わったら手を下げて1回拝みます。 この一連の動作が二拝二拍手一拝で、神前式では必ず使われる作法です。 他に覚えておきたい作法は昇殿参拝での振舞いでしょうか。 座る位置は本殿の正面、中央は絶対に避けなければなりません。 なぜならそこは神様の通り道だからで、私達が座っていたら神様が通れないから 困ったことになるからです。 目には見えないかも知れませんし結婚写真や式の様子を撮影したビデオでも 神様の姿を確認することはできないかもしれませんが、通る場所は分かって いるので邪魔をしないようにしないといけません。 正面からは脇に寄って、真ん中を通りやすいようにしましょう。 座る動作も決まっており、中央に近い方の足から曲げて座ります。 右脚、左脚と決まっているのではなく中央の通路に近いほうから、遠いほうは 2番目に曲げて座るのが正しい作法です。 立つ場合はそれを逆送りした動きで、中央通路から遠い方の足から立ち上がります。 細かい作法は挙げればきりがありませんので、経験を積んで覚えるか他の人の 動きを真似して乗り切るかしてなんとか頑張りましょう。 ちなみに本来指輪交換の儀式は神前式では行われておりませんでしたが、最近では 気にされない新婚さんも多いのか日本の神様の前でも平気で行われているよう ですので、やりたければどうぞ、という感じのようです。